W杯南アフリカ大会は、世界で最も美しいパスサッカーと称されたスペインが頂点を極めた。

スペインが通したパスは542本で、オランダは294本。決勝でも圧倒し、パスサッカーの真骨頂を見せた。

パスを通すには相手やコースがなければいけない。両チームの選手で動いた距離が14キロを超えたのは、スペインの中盤の要、シャビ、イニエスタの2人だけ。パスを出しては動いている。

その神髄は攻守の動きにある。バルサで18年間ユース指導に携わったビライボスクさんはスポンジにたとえる。「ボールを奪われた時はスポンジが縮むようにボールに向かって集まり、ボールを運ぶ時は広がる」。守る時には相手のパスコースを限定し、運ぶ時は自分たちの選択肢を多くするという発想の上での動きだ。「守る時には前に出る」という動きも含めて、普通は逆を考えるものだが、発想をあえて逆転させている。

ところで・・・

我がSAMURAI BLUEも、誇り高き結果を残した。

今大会で「日本は参加32チーム中9位になる」とのFIFAの評定。今月末にも正式に発表される予定。

この順位、5位以下の順位は、準々決勝敗退4チーム、1回戦敗退8チーム、1次リーグ敗退16チームそれぞれの中で、1次リーグからの勝ち点の合計で決める。

日本は勝ち点7(PK戦で敗退したパラグアイ戦は引き分け扱い)で、決勝トーナメント(T)1回戦で敗退した8チームの中では最高になるため、9位になる。

同じくアジアチームで決勝T1回戦敗退した韓国は勝ち点4で15位。

前回、1次リーグで敗退した2006年ドイツ大会では28位。

FIFAの小倉純二理事は、「日本の戦いぶりは世界でも高く評価されていた。アウェーの大会でのベスト10入りは誇らしい」とし、「現在45位のFIFAランクもかなり上がるだろう」とコメントした。

(朝日新聞より抜粋)